地方にもひろがるプログラミング教室
プログラミング教室が5年で6倍に急増したというニュースを見たが、東京都内では、場所によっては10倍という地域もあるそうだ。しかし、地方では子どもが都会に比べて多くないためだけでなく、プログラミング教育のニーズはまだ都内ほどない、という声も聞く。
参考:子ども向け「プログラミング塾」が5年で6倍に急増した理由
https://diamond.jp/articles/-/183276?page=3
いったい地方のプログラミング教室はどんな状況なのだろうか。
そこで、新潟にあるプログラミング教室へその様子を見に行った。筆者が訪れたのは「High Tech新潟(ハイテック新潟)」というプログラミング教室である。そこで授業を見学し、代表者の東條英明先生にも話を伺った。
まず教室に入ると3Dプリンタとカラフルな床があり、机には何台かのパソコンが用意されていた。聞くところ、自分のパソコンを持ってくる生徒さんもいるが、安価で貸し出しもしているし、教室にもしっかり常備してあるということだった。
小学校5年生の男の子が数人、小学校3年生の女の子、中学校2年生の男の子がプログラミングをしていた。驚くことに、それぞれ自分が作りたいものをそれに適した言語を使ってやっていた。Scratch(スクラッチ)、Python(パイソン)である。
教室では同じ時間にScratchプログラミングをしている子、ペンタブで絵を描いている子、C♯の言語で3Dゲームをプログラミングしている子、Arduino(アルデュイーノ)やPythonで電気回路を作っている子など、色々なものづくりに取り組んでいた。
小学校5年生の男の子は「自分がやりたいことを表現できるっていいですよ」と言い、中学校2年生の生徒は「色々とチームで集まってゲームを作りたい」と言っていた。実際に何人かでそういう場を作るということだった。
生徒は近くに住んでいるのは半分くらいで、その他は違う区や遠方から親が送り迎えして来ているということだった。
東條先生は2年前に脱サラをしてプログラミング教室を経営し、今では100名以上の生徒数となり、教室もここだけでなく、新潟の別の場所にも作っている。
東條先生の協力者として、新潟コンピュータ専門学校の学生や海外からのスキルの高い講師も居て国際色豊かだ。
実際、ArduinoやMicro:bitの解説は英語である。それをGoogle翻訳で日本語にして学んでいる。以前Scratchをしていた児童から、「英語版でやっていたら英語に対する抵抗がなくなった」という話を聞いたことがある。いずれ日本語の解説でなく、英語で解説を見ながら自分でプログラミングができるようになりそうな勢いだ。
やり方は様々、個々のニーズに応じた教育ができている教室は成功しているのだろうと思う。これから2020年に必修化になって、学校で学んだ子どもたちがさらにやりたい時の受け皿がますます必要となってきている。そういった中で、地方であってもプログラミング教室の役割は多いにあると感じた。
とはいえ都内に比べ、生徒数は少ない。ここハイテック新潟の教室には生徒5人に先生が3人という恵まれた時間だった。地方の教室の方が先生に接する時間が多く、思う存分学ぶことができる可能性もある。今後は通うことが難しい子どもたちに、遠隔も含めてやっていく必要も出てくるのかもしれない。