教育連載コラム―未来への戦略-

想像が創造を紡ぐユカイ工学【前編】ー ロボットの多様性を求めて ー

今回はQoobo(クーボ)やBOCCO emo(ボッコ エモ)、甘噛みハムハムなどユニークなコミュニケーションロボットを開発・提供している、ユカイ工学株式会社CEOの青木 俊介さんにお話を伺いました。

ユカイ工学 青木さんと筆者

上松:今日は色々とお話を伺いたいのですが、まずこの事業を始めたきっかけを教えてもらえますでしょうか。

青木さん(以下、青木):ユカイ工学は2007年にまず個人事業として始めた後、2011年から事業を本格的にスタートした会社です。創業メンバーは私と、チームラボ時代にアルバイトをしてもらっていた大学の後輩の二人でした。彼は今CTOを務めてくれているのですが、二人で「かわいいロボットが市場にはないよね」という話をいつもしていて、さらに「金属フレームで手が傷つくのもあるよね」などと二人で話をしていたことがきっかけとなっています。
ちなみにその彼以外にも、チームラボの当時のメンバーがいて一緒に仕事をしているんですよ。

上松:あの有名なチームラボですか。青木さんは東京大学のご出身だそうですね。仲間の方々との会話がきっかけで、このようなかわいいぬいぐるみロボットの開発に繋がるとはすごいですね。

青木:チームラボには2007年までいまして、その後2年くらいIPAの未踏プロジェクトで石黒先生に指導をしていただき、ロボットの開発を覚え始めたのがその頃でした。しかし当時、たくさん作って販売するところにまではまだまだ到達していませんでした。

上松:このような製品は今後きっとすごく拡がっていくと思います。実は10年ほど前にMITのメディアラボに行ったのですが、そこにもメタルではなくこのようなぬいぐるみタイプのロボットがたくさん置いてありました。これからはロボットも色々な形態で進化していくのだと感じました。
ところで、大学に入るまではこういったロボットに興味はあったのですか。

青木:両親が理系でしたので、私も自然とそのような方向に行ったように思います。高校は開成高校で、工学部を選びました。通学は1時間くらいかけて通っていましたね。その後、大学は工学部に進学しました。

上松:なるほど、そして大学で今はチームラボの猪子さんとお知り合いになったのですね。通学が遠くて大変でしたね。

青木:家が遠い方が色々と考えたり、妄想したりするという法則がもしかしたらあるかもしれません。昔はスマートフォンが無かったので色々と考える時間がありました。

上松:想像力って創造力にも繋がると思うので、思考することは大事なことですね。それで東京大学の繋がりでチームラボを創業されたんですね。

青木:はい、先に述べた通り2001年の創業から2007年までチームラボにいて、その後ロボットの開発を覚え始めました。最初はぬいぐるみのカッパノイドや水木しげる記念館の目玉おやじのロボットなどを作ったりしていましたが、そんな話をいただくうちにこれは仕事にできるかもと思い始め2011年から事業をスタートしました。目玉おやじで妖怪をつかまえよう、というような企画で評判にもなりました。
そもそも、最低限仕事になりそうという所からスタートしましたが、現在では『小学生ロボコン』というNHKエンタープライズ主催の大会をお手伝いさせていただくなどしています。NHK「サイエンスZERO」で放映もされました。公式キットの販売もスタートしました。