教育連載コラム―未来への戦略-

1人1台タブレットを使った授業、琴浦町立船上小学校(鳥取)の事例

今回は、鳥取県東伯郡琴浦町にある、琴浦町立船上小学校についてご紹介したい。
琴浦町は鳥取空港、米子空港、出雲空港から約1時間という海に広がる町である。とはいえ、大山を望むこともでき、近くには船上山もある。
町名の由来 「琴浦」とは、かつて琴浦町の海岸一帯が「琴ノ浦(ことのうら)」と呼ばれていたことに由来しているという。また、このほかに海岸に寄せては返す波の音が琴を弾いた音のようであったとのことから「琴ノ浦」と呼ばれるようになったとも町のホームページに書いてある。
鳥取というと砂丘が有名だが、ここは砂ではなく丸い石がたくさん海岸にあり、石の音が鳴っていて、鳴り石浜という名前がついている。

琴浦町は小学校が5校あり、以前はもっとあったのだが、日本の全国的な傾向と同じで統廃合が進んでいるという。今回訪れたのは琴浦町立船上小学校である。船上は「ふなのえ」と読む。学校に入ると歓迎の札があって校長先生が出迎えてくださった。
こちらの学校へ訪問した理由は、コロナで急激に1人1台のタブレット端末利用が進んだと伺ったからだ。
学校の規模は1学年1クラス。これまではコンピューター室で使用していたタブレット端末が2学期からは1人1台となり、それぞれの教室で使う形に変化したばかりということで、その使われ方も含めて視察をした。
まずは3年生の教室。ローマ字入力をする前に、先生がアルファベットの説明をする。
ローマ字読みの「学校」などの表示は、「GAKKOU」とKが二つ入るといった説明をして、日本語をローマ字にするという授業。

次は5年生の国語で、図書室の資料やネット上の情報を使った授業だった。それぞれタブレット端末を活用した授業である。
AirDropで資料がタブレットにバンバン飛んできて、その資料について、見るだけでなく自分の意見も言うというものだった。場所が図書室だったので、アクティブラーニングや共同学習など色々な活動ができて児童がとても活き活きしていた。
また、久米校長先生が、教師の新しい取り組みに対しポジティブに応援されていたのが素晴らしかった。先生方の能力を高く評価していて、理想の校長先生というイメージ。さらに、岡本教頭先生もとてもICT教育の活動に積極的な対応をされていた。

最後は4年生のプログラミング授業を視察。
どの教室でも当たり前のようにみんながタブレットを操作しており、また、それぞれの授業で違った使われ方をしていて、どの児童ももれなく使っているということだった。

情報の先生はスクラッチについて、他の先生にも色々とアドバイスをしているという。
また、児童たちが先生に頼らず問題解決をしている様子がとても印象的だった。将来が楽しみだ。
コロナウイルスのピンチをチャンスに、という声も聞かれた。
今後、児童がPCやタブレットを1人1台持つことになり、不安があるという先生方もいるかもしれないが、このように他の学校の様子を見学できる機会があると不安の解消に繋がるかと思う。
今回の船上小学校の視察では、児童たちが自信に満ちた様子で授業を受けているところがとても感動した。

琴浦町立船上小学校 公式サイト
https://www.torikyo.ed.jp/funanoe-e/